株式の「配当金」はどうすれば受け取れる? その仕組みをわかりやすく解説

資産形成の知識(投資の知識)

株式投資の魅力のひとつである「配当」。よく耳にする言葉ですが、どうすれば受け取ることができるのでしょうか。ここでは、配当の仕組みを解説します。 

企業が株主に分配する利益のこと
NISAを通じた長期保有で高まる注目

NISAなどを通じ、資産運用の方法が貯蓄から投資へシフトする中、株式や投資信託を購入する人が増えています。いまだ低金利の日本において、銀行にお金を預けてもほぼ増えず、リスクを取りながら資産を増やしたいと考える人が増えているのです。

ただし、投資をするといっても金融商品の値上がりによる売却益(キャピタルゲイン)だけではなく、安定的に利益を得たいと考える投資家もいます。そこで注目されているのが配当金・分配金・利子(インカムゲイン)です。

例えば、株式の場合、証券会社に口座を開き上場企業の株式を購入すると株主になることができ、議決権を得たり、購入後に株価が上昇した時点で売却すれば、キャピタルゲインが得られます。ただし、株式には元本保証がなく値下がりにより損失を抱える可能性もあるため、注意が必要です。

一方、配当金とは企業が株主に分配する現金のことで、株主が保有する株数に比例して分配されます。例えば1株当たり10円の配当が出た場合、100株持っている投資家には1000円、1000株持っているなら1万円を受け取ることができます。株価の上下と関係なく、株式を持っていれば受け取ることができるのが、最大の魅力といえるでしょう。

株式の配当金は、以下の4つに分類されます。

普通配当

その期の利益の中から株主に還元する一般的な配当金のこと。年1回配当を出す企業であれば、株主が受け取るのは普通配当であり、期末配当とも呼ばれます。

中間配当

企業によっては、期中に配当金を出すこともあります。年2回配当金がある場合は、普通配当と中間配当を受け取ることになります。

特別配当

業績に応じて支払われる配当金のことです。いつもより好業績の場合、特別配当が実施されることがあります。

記念配当

企業の創立記念日や株式公開などの祝い事を記念して実施される配当のことです。ただし、頻繁に行われることはありません。

投資家が得る配当金は、普通配当と中間配当が一般的で、業績がよかったときは特別配当を受け取れる可能性があります。よって、配当収入を目的に銘柄を選ぶ際は、普通配当もしくは中間配当に注目すべきです。

配当金は企業業績により変動する可能性あり
定められた期日までに株主になる必要も!

配当金の原資は企業の利益です。よって、業績不振に陥ると大幅に減配(配当金を減らすこと)したり無配(配当金をなくすこと)に転じたり、反対に業績がよくなると無配当だった企業が配当を始めたり、増配(配当金を増やすこと)することもあります。一方、赤字であっても株主を確保するため配当を実施するケースも見られます。

配当金を受け取るには条件があり、「権利確定日」の3営業日前となる「権利付き最終日」までに株を保有する必要があります。これにより株主名簿に名前が記載され、権利が得られるのです。権利付き最終日翌日から権利確定日までに購入しても配当金は受け取れないので注意しないといけません。また、権利付き最終日の翌日となる「権利落ち日」や権利確定日は配当の権利を獲得した投資家からの売り注文が出やすく、株価が下落する恐れがあります。

また、権利確定日から実際に配当金が支払われるまでには、タイムラグが生じます。というのも、配当については株主総会で承認される必要があり、多くの株主総会は決算日から2~3か月後に開催されます。よって、3月末決算の企業であれば6~7月に入金されるのです。

そして、配当金の受け取り方法も4種類あります。それぞれについて説明しましょう。

株式数比例分配方式

配当金を証券口座で受け取る方法のこと。同じ銘柄を異なる証券会社で保有している場合は、各証券会社に配当は入金されます。

配当金領収証方式

株主総会前に企業から郵送される「配当金領収証」を使い、ゆうちょ銀行や郵便局などの金融機関で受け取る方法です。

個別銘柄指定方式

保有する銘柄ごとに指定した金融機関で配当金を受け取る方法です。

登録配当金受領口座方式

個別銘柄指定方式と異なり、保有する全株式の配当金を指定したひとつの金融機関の口座で受け取る方法です。

配当金の受け取り方法は、証券会社に口座を開設した時に選ぶのが一般的です。ただし、手続きをすれば変更することができます。配当金は銀行口座で管理したい、銘柄ごとに管理する口座を分けたいなど、ニーズに応じて使い分けましょう。

配当金を目的に株式投資をする場合、どのように銘柄を探せばよいでしょうか。その際の目安になるのが「配当利回り」と「配当性向」の2つの指標です。

配当利回り

株価に対する年間配当金の割合を示す指標です。「1株当たりの年間配当金の合計額÷株価×100」で算出し、この割合が高ければ高いほど投資資金に対して効率よく配当金が得られることを意味します。ただし、配当利回りは配当金や株価の変動により上下し、配当利回りが高いのは株価が低いことが理由ということもあるでしょう。業績不振が背景にあるなら、今後は減配・無配になる可能性もあり、配当利回りだけを頼りに銘柄を選ぶことはお勧めできません。業界の動向や今後の業績もチェックしておくことです。

配当性向

当期純利益(税引き後利益)から、どのくらい配当を支払っているかを示す指標です。「1株当たりの配当金額÷1株当たりの当期純利益×100」で算出します。配当性向が高いということは、自社の利益を積極的に株主に還元していることを意味します。反対に配当性向が低いということは株主の利益を還元していないことになりますが、その理由は設備投資に資金を回しているからかもしれません。長期的に見ると業績が伸び、将来的に株価や配当金がよくなる可能性があるということです。配当性向だけで判断するのではなく、配当の金額は妥当なのか、低いならその理由まで探るのがポイントといえるでしょう。

ちなみに配当金は課税対象なので、そのまま全額を受け取ることはできません。所得税と復興特別所得税、住民税を合わせた20.315%が徴収されます。NISA口座で保有している場合は非課税扱いになりますが、株式数比例分配方式を選んでおく必要があります。その他の受け取り方法の場合は課税されるので注意しましょう。

ただし、国内株式の配当金は企業が法人税を支払った利益から分配されるため、株主が受け取る配当金にも課税されると二重課税にあたります。よって、総合課税を選択し確定申告をすると配当控除が適用され課税分が戻ってきます。なお、確定申告が必要な場合でも申告分離課税をしていると配当控除の対象外になります。また、確定申告が不要になる源泉徴収ありの特定口座に預けている場合も、確定申告をすれば配当控除が適用されます。

保有株式から安定的に利益を得る手段として、配当金は魅力的な仕組みです。昨今はNISAを使って長期的な資産運用をしている人も多く、非課税になることから高配当の銘柄を選ぶケースも増えています。一方で業績に応じて変動する可能性もあり、過去の配当実績や事業の安定性などとも照らし合わせながら銘柄を選ぶようにしましょう。

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